2016年6月28日火曜日

親父スマンの人々

仰ぎ見て止まぬ伊坂作品にこんな一文があります。

そもそも、大人が格好良ければ、子供はぐれねぇもんだよ。 子供から見て、大人が、親が、カッコいいと思えば、わざわざ、それ以外の道を探す必要すらない。
今見える道に従っていくだろう。

親でもない筆者が自分をカッコいいかどうかなど知り得る術がありませんが、アラフォーになった今、これだけは言える日々が来ることを、子供の頃は想像できませんでした。

自分の父親は世界一カッコいい。

そう思うようになったのは遅い遅い、30代になった頃でしょうか。

それこそ10代の頃はクタバレ親父位に思っていたどうしようもないクソ野郎でしたが、働き始めて世の中の厳しさを知るにつれ、親父の偉大さにある裏付けが途方もなく大きく感じるようになったのであります。

真面目で公明正大で酒も煙草も博打もやらず、節約家で女癖もなく、仕事と家庭を只管守り続けた親父。

やたら厳しい面もありましたが、家庭の為に必要なら何百万も惜しまず払う。

一方、贅沢だと思えば絶対に妥協せず浪費は許さなかった親父。

三男の筆者がアラフォーなので、そろそろお別れの日も遠くない将来でありますが、親父が死ぬ前に尊敬になって本当に良かったと思うようになりました。

そんな事をふと思って、父の日の贈り物しないとなぁと思っていたのであります。

が、んん?28日?ん~、今日28日?


は?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

























父の日とっくに過ぎとるやないかい!!!!








まいった、母の日は贈り物したのに、あまりの忙しさに父の日を思いっきりスルーしてしまったのであります。

ここ何カ月か、あまりにも忙しく、明日までに、何時までに、そのリミットとの戦いを繰り広げていたら、クソ尊敬するとか言いながら、代表的な日を忘れていました。

仕方がないので、遅まきながら慌てて矯めつ眇めつ贈り物を手配。


しかしながら仕事を引退した親父に贈る選択肢は非常に狭い!

男というものはなんという寂しい生き物か。

仕事が趣味だと引退すると何も残らないのではなかろうかと思ってしまうのであります。

結局、”ミニ盆栽”という恐ろしくテイクイットイージーな選択に落ち着きました。 すまん親父。

適当に育ててくれ。

全然違う話ですが、芸能関連のWEBニュースがあまりにも不要で不快に思い、WEBを止めて堅い新聞を取ろうかどうか迷っている近頃であります。

陸友ファクトリーの様子。


N様FLHXさんは既に納車済みで遂にブログが後手に回りました。


エボリューションまで同じ構成のジフィースタンド廻り。


非常に多いのがボルトの緩みと疲労。 当然車重をタイヤと2分して受け止めている部分でありますから、その負担は非常に大きく、定期的な増し締めは不可避であります。

スレッドは痛み、緩んでガタガタになっていました。


交換の為に準備したボルトナット。 新品も勿論使うのですが、車体の雰囲気に合わせて70~80年代当時のボルトを使い、時代が極端にずれないように組んだりします。

似合うかに合わないか、というよりこの辺りはフィーリングで変えています。



雰囲気と言えば追加整備でオーダーいただいたこの純正メーター。 渋い。


筆者も何点かストックしていますが、80年代~90年代にかけてアクセサリーで出ていた追加メーターセット。 実は日本製の様であります。 実際計器類は日本製が多く、というより殆どか。

当時から正確で堅実な仕事をしていた日本人の技術の賜物であると垣間見えます。



 当時はLEDが使われる筈もなく、バックライトは5w程度の豆電球。

この後ろでボンヤリとお月様の様な柔らかな光を頼りに夜道を走るのがとてもロマンチックであります。 メーターのバックライトも然り、フィラメントの温かさというのは有機的なモノであります。


今回はタコメーターも取り付け。 なかなか雰囲気出ています。 ナイスチョイスだと思いますN様。


非常に時間が掛ってしまったF様FLH80さんの車検整備。 1か月以上経過して、諸々追加整備も一通り目処が立ってきました。  しっかり段階を経て垢を落とせば次の車検は現行車とまではいきませんが随分費用も落ち着いてきます。


84年あたりからリアブレーキキャリパーも近代化の影を見せ始めます。


ピストンもダブルになり、面圧の分散効率化を図り始めます。


スケール感が伝わりませんが、バナナキャリパーのパッドの1.5倍はあろうかという大きなパッド。

スリットを何段にも入れた設計のせいか、トレーディングの後方はスラッジで埋まってしまいます。

パッドピンもキャリパーフローティングボルトと兼用の為、非常に大きな径が使われており、ワンピースに拘った結果と相まったか、重量も相当なモノ。

ここもやはり当時の苦労とブレーキシステムの進化の経過を見張る事ができます。


エンジン廻りのダストもエイジング加工では到底出せない蓄積された濃厚な雰囲気を醸し出します。

ここは気にするなら徹底的にやるか、これが好きならやはり極端に掃除に拘る必要もないのではないかと思います。


カスタムバイクのタンクにも頻繁に引用されているオリジナルのロゴ。

これぞハーレーダビッドソンロゴセンスの最たるデザイン性。


あるあるウィークポイントのエキゾーストボルト。 これはなかなか限界。 


ヘッドのメススレッドが飛んでしまうのはやはりスタッドボルトではない事が主たる主因。 

スタッドボルトは偉大なモノで、同じような結果に対して、スレッドへのダメージの軽減性は雲泥の差であります。 とは言え、スタッドは整備性への影響が大きく、構成部品の設計の段階から上手く分解前提を考慮しないと、大きくその道程を遠回りする結果になったり致します。



一応、半スタッドという付け焼刃ではありますが、ボルトを活きの良いモノに変え、ナットで最後のトルクを決めるようにします。
ボルトスレッドは回転せずに引張して回転+張力をナットが受け止めます。

ヘッド側は静的な張力を受け止めるに留まり、スレッドの破損を軽減します。

無論完全スタッドがやはり理想であります。

言うなれば一本で止まっていること自体は筆者はそれほど懸念する事はなく、固定時の回転+引張の繰り返しが最も危険な瞬間であると感じます。

とってもどうでもいい話でしたが。

続きます。