2018年6月6日水曜日

芳醇な香りを撒き散らす人々

4月に新入社員の方々が入社致しまして、BSHが終わり、あれよあれよと気付いてみれば6月であります。

今年も半分過ぎようとしておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

筆者は若輩ながら新入社員にお仕事のイロハを伝授するのに奮闘しているのですが、新入社員の教育係を始めて結構経つのですが、マシン相手に格闘するのは手慣れたものになりましたが、人相手となるとなかなかそうもいきません。

人は一人一人違うもので、当たり前ですが同じ教え方が通用するとは限りませんでして、いまだに慣れるという事はありません。

そもそも学校もろくに出ていない筆者が人に教えるという事自体に疑問を感じずにはいられませんが、それでも何かの縁で一緒に時間を共有するわけですから、その貴重な時間の中ではできる限り有意義に盗める物は全て吸収してもらいたいというのが、先輩なりの思いやりというものでしょうか。

同じ新入社員でも歳の差もあれば、得意不得意もありまして、機械的な知識が豊富だけど、PCは全く触れないとか、人当たりは良いけどバイクの知識は全くないとか、そもそも適当に就職したから仕事は適当にやるとか、カッコいいからとりあえず入ってみたとか、
動機や得意分野は人それぞれ。

最近筆者が大事にしている決め事は、人間同士の付き合い方としては、そんなバラバラの新入社員に対して接し方や温度は常に一定を保つことを意識しています。

まぁ熱っぽくもないですが、冷めているわけでもないという絶妙な温度で接する事を意識しています。

果たしてそれが正解なのかどうか・・・係長の苦悩と職人育成の悩みは尽きません。

さて、ここまで書くのに1週間くらい掛かってしまい・・・

ついに月内更新が達成できませんでした・・。

実に悔しいです。

まぁそれ位とてつもないタスク量で自分でもちょっと信じられない量を処理してきた感がありますが、一年の終わり頃には最高の達成感で終われることを信じて、職務貫徹したいとおもいます。

少々画像が多くなりましたが、陸友ファクトリーの様子でもいつもながらご覧ください。


ここ3年でグングンモーターワークスのスキルがハイレベルに達したチーフメカニック萩原氏のお仕事。


 クランクピンのダメージでO/HしたEVOモーター。














今回はせっかくの機会なのでフライホイールのバランスも伝授。


非常に勤勉な性格の萩原チーフ、最終的に納得できる到達点までもっていってくれました。
流石。










非常に慎重な性格で無理をしない萩原チーフ。 逆に言うと伝えたい事はそれ以上もそれ以下も無く、非常に正確に再現してくれます。

やはり古参のお客様からの厚い信頼はこういう素敵な人間性から得られるのだろう。

見習いたい。


ロッカーボックスからのオイル漏れがどんどん酷くなってきたFLH君。


スタッドが適正な深さにあらず。 少々問題が。


スタッド側のスレッド径はボックスのホールより大きく突き出していると最後まで接地できない。


スタッドを適正位置に収めたいが、スレッドの痛みが酷く、なかなか過酷な状態。


ボックスの面もかなり平面度が下がっていたので、この機会に面出し作業。


スタッドはリコイルで処置して面出しを行い、隙間を計測、最大値0.05㎜。 まずまず。




暫く何もないといいのですが、油断ならないのがビンテージですか・・。それは身をもって知っています。


ショベルヘッドやりながらも、M8の修理なんかも致します。ガスケット抜け。



40年近く差のあるモーターを同時に触るのはなかなか爽快です。



合間を縫って点検作業もこなさねばなりません。 超人的な距離を走破するS様、ホイールベアリングもあっという間にダメになってしまった。


長いお付き合いのS様、スプリンガー君。 昔作ったホーンステー。 





ご本人も職人であるS様、家の内装、素晴らしいお仕事でした。 ありがとうございました。


昔から車検のタイミングになると颯爽と現るK様。


しかしこのタイヤはまずい・・


今年は何とか交換してもらえて嬉しい限り。


いよいよ完成したI様 FL。




仕上げはタペットスクリーンの清掃、地味だが忘れてはいけない作業。



見違えるほど精悍なお姿に、年齢的に大先輩のFLさん。 後光さしとります。

織戸前オーナーの追悼ライドにもご参加頂きましたが、筆者の能力が足りないばっかりに300キロ目前にして完走ならず・・あれから悔しくて下痢が止まらんです。 




合間を縫ってピクニック、ほんのわずかな癒しの時間。


S様陸王も同時進行。








テールランプに光が灯って感動したのは初めてかもしれない。



何十年かぶりに点灯する灯火類、甦れRT。








かなりの朽ち具合で苦労していますが、完全なレストアは車検取得後が目標。 少々事情があり、こちらの子は先ずは書類を再度取得するのが最大優先事項なので、まずは検査ラインを通すところまでもっていくのが今回の依頼。

そこまでいけば、オーナーと一緒に未来へ向けて綺麗な姿に生まれ変わる筈です。


新たにビンテージ入門したG様。 FXS君は新たな道へ走り始めます。


オリジナル度の高い美しいFXS80。


キャブは少々マニア向け?のフィーリングのS&SBキャブ。 スロットルに対して奥行と伸びのあるフィーリングが持ち味でしょうか。


いよいよタンク加工に着手。 K様のFXSB君用ストレッチタンク、一体何か月お待たせしたか・・・。 やっとここまで来ました。





シングルキャップで燃料系はメーター内蔵なので、左側を封鎖。



汎用品はスタート位置が早くなりますが、シートラインの合わせ等は流石に修正が要ります。


おいおいと思うくらい大穴ですが、当たる部分は的確に撤去するのみ。


端材をパズルのように切り出して嵌めていきます。



隙間もピースを作って埋めていきます。



端材との隙間が大きいのでビードモリモリですが・・・後で修正します。



ついでに今回取付予定の最新型メーター。 ライザークランプ内に内蔵されていて高機能な純正。 テスト装着。



ふむふむ、まずまず。


良い感じだ、このビューが一番好きだな。


陸友レーシング。続き。 ファイナル減速比の変更及びチェーン化。


元々ベルト駆動ですので、なかなかチェーン化するには一苦労であります。




当然ながらスプロケは45Cなのでクソ硬い・・



キョーセラの超硬チップでなんとか大穴を切削。




なかなかいい勘合。


続いてまた大穴。



高価な超硬ドリルがビンビン折れてしまう・・自分ボール盤下手くそだな・・。


何とか3穴到達。


接地部分を今度はフライスするのだが、やはりここも超硬ミリングを使用。

超硬系の刃は非常に高価で、刃の値段がスプロケより高くて悲しくなる。

それにしてもこのペースで次のレースに間に合うのだろうか・・・続きます。



BSHへは自身のFLHで走りました。 道中なかなか素敵なトラブルで笑いました。

重さ20キロ近く補修部品やら工具やらを積んだサドルバッグをETCバッグ用のバンドをゴミ箱から拾ってきて付けていたら、バンドが壊れてしまった・・・

壊れるかも、と思いつつまぁ自分のバイクだし良いや!と思ってしまう筆者。

年々自分のバイクに対して適当になる自分に自覚はあるのですが、どうにも止まりません。



足柄PA手前で一緒に走っていた村上メカに呼び止められ、何か指さしている・・・。
























”工場長ぅ!!サドルバッグなんか変っす!!”







なんじゃこりゃ!!!




















今夜ぁ!飲もうと思ってたスコッチウイスキー空っぽやないか!!!

しかも底ないし!!


バッグはどうでも良いのですが、新品で買ったウイスキーの蓋を開けることもなく、底から抜け落ちたウイスキー。

ショック・・。

ところで高速道路でウイスキーを地面にこすりつけながら走るという珍走を成し遂げた筆者の後ろを走っていたI様曰く。
























”それは何か・・・白いモヤを撒き散らし、美しく幻想的、かつ、後方へ流れだす、芳醇な良い香りと共に、放出される光。
未だかつて高速道路で見たことのない素敵な光景でしたぁ”


いいBSHになりました。