2018年3月18日日曜日

現場の人々

たまに夜明けの静寂の中で青い空を眺めると凄く気分が落ち着きます。

誰が言っていたか忘れましたが、”歳と共に感傷的にはならなくなるもんだよ。”と。

お爺さんになるとね、死ぬことすら感傷的ではなくなる。

聞いた歳の頃20代だった筆者は、自身が感傷的でない事が想像できず戸惑いましたが、この頃その言葉通りになる自身の行く末に齟齬を感じるようになってきたのは実に不満であります。

おおよそ22年サラリーマンをやっていて感じる事は、日々の業務に感傷など入る余地もないという事。

良い所で、プライベートの僅かな時間にそういった感傷の部分の余地を残すのが関の山ではないだろうか。

無論芸術家でもない限り、感情的になっている間の取引や作業など、大抵一人よがりだったりするものであります。

サラリーマンは、結果を出すことに忠実に、柔軟に、誠実に、積極的に結果を出すことがとっても大事であります。

もうすぐ四月。

陸友にも新しい風が入ってきそうですが、昔は技術屋として心臓が止まるまで探求心を止めるな。と、熱っぽく語っていましたが、そういったやり方が果たしてこれからの時代に見合っているのかどうか。

些か疑問でありますが、でもやっぱり筆者はいざその場になると、熱っぽく技術屋の信念たるを熱っぽく語るのでしょう。 

技術屋の葛藤は非常にストイックなもので、大抵はストイックを自分に向けたエゴイストな物が多いです。

後はよくある管理側との葛藤。

まぁこれは立場が違えば悩みも変わり、筆者の経験上、絶対性を以って交わることのない平行線でありますから、それがそれで、その平行線が描くストライプは見方を変えると結構美しいのであります。

そういえば、この辺りの事が書いてある面白い小説があります。

安生 正氏の著書で、”ゼロの激震”というのがありますが、これは筆者的に技術屋VS政治屋の最高峰になる著書であります。

これを読めば貴方も明日から立派な技術やと政治屋になれます。 

特に京大工学研究科の出である極限的知識を余すことなく発揮した具体性のある技術に纏わるストーリーは高々整備士といえど、精神的に魂を揺さぶらされます。

併せてチバユウスケ氏の”LEMON"と”come together"なんかを聴いていると、より個性的な支離滅裂なキャラになれます。

全くお勧めできません。

翼オジサンの調子が少しづつ本調子に戻ってきたので、本当に少しづつですが、陸友ファクトリーはまた元気になりつつあります。

現場というのは人がライフラインであります、これが無いと結果は箸にも棒にも引っ掛かりません。

先ずは現場にいる人がどんな人で、どんな経験者で、どんな性格なのか。

これで現場の全てが決まります、実は箱や立地なんて、気立ての良いコンサルタントの戯言ではないかと思うほどです。

だから、現場にいる人が居なくなったら全て終わりであります。 

だから、それを守る為に大切なのは、誰かが必ず残る事。 もしも現場に何かあって、大変な目にあったら、そこから少しづつでも良いから、根気よく立て直すこと。

まぁ辞めて故郷に帰るもよし、引き抜かれていくもよし、独立するもよし、何でもいいんですが、そんな個人の裁量より現場は大事なんですよね、自分の為ではなく、誰かの為ではなく、現場の為に守るべき物がある。

筆者は今まで散々現場を離れてしまい、現場に対しての裏切りを繰り返しました。

だけど其処に残った後輩たちは今現在も戦いを繰り広げて現場を守ってくれています。彼らは筆者の誇りであります。

今まで続けてこられたのはディーラーマンとして筆者の身勝手な行動を許し、理解してくれた後輩のお陰でもあります。

だから、今色々とあったとしても、明日も明後日も、やっぱりハーレーダビッドソンを陸友でサラリーマンとディーラーマンとして淡々と続けるべきだろうと夜明けに思いふけりました。

夜明けの青い空は色々と教えてくれる上に、気分が落ち着きます。

全くもってお勧めです。

さて、感傷的な部分も程々に、陸友ファクトリーの様子でもご覧ください。


I様FL61' 復帰作業。 


ビンテージレプリカタイヤとしては貴重なコッカークラッシックタイヤ。 ビンテージレプリカタイヤは結構種類がありますが、このタイヤは非常に高価。 なかなか中途半端な拘りでは手が出ないのが実情ですが、ここに拘りを発揮するところが凄く筆者的には素敵であります。






スターハブ。 現在はベアリング2個とスリーブの3ピースという非常に簡潔な設計ですが、スラストとラジアルのベクトルを如何に受け流すかという命題に対して当時の材料と機材を使った最大限の結果にとても美しい構造を見ます。 だからボールベアリングが如何に凄いものかという事の前提知識として着地点をより正確に見出すことができます。


S様陸王。レストア。









リンカートベビーツイン用モデルを模造したであろうこの日本気化器のキャブ。 言葉で言い表すのは難しい愛しみを感じます。 陸王はとても触るのも乗るのも難しいモデルですが、自分の実力を持て余すスキラーにはとてもいい天敵になります。 筆者も良い戦いを繰り広げています。 ショベルの研究第5弾が終わったので陸王の研究も再開しないとな・・


陸友レーシングの作業は進行中ですが、ここにきてかなりペースダウン、流石に15台とか同時作業になると記憶力と時間が狂ったように暴走し始めます。

しかし、ここでこの壁を何とか超越して超人的な領域に入りたい。

超人みたいな人が世の中には何人も居るから悔しくて仕方ない。


K様Fご購入のFXWG81’。 定年を越えても冒険を始める姿にとても感銘を受ける。 
FX系ではWGが筆者は一番好きであります。 兎に角渋い、堂々と異端を主張するこのスタイルはとても惹かれる。



強烈なアメリカから入ってきたまんまの状態から、東京23区仕様にアップデートする。 なかなかそのままでは環七の渋滞に耐えられない。 このよく分からないフューエルフィルターは詰まっていて5分アイドリングするとガス欠になる。

何故かそれに愛しみを感じる筆者は迷走しているのだろうか。


これも個性的だと感じたH様FXDサイドカー。車検整備。



たまらなくユーロなデザインのサイドカーに合わせたのはFXD!このハイセンスさ。

この年のFXDというだけでもグイグイきますが、これにこのサイドカー。

自分自身がブレていないこのスタイルに感銘。


しかし、本体左側の整備は凶悪な整備性の悪さ・・腰が壊れそうであります。また肉離れしてしまいそうになります。









死ぬほど戦った後は、いつも通り河川敷を散歩。 まだ桜はもう少し先かな。 

最近飼っているサボテンの元気がない、心配で仕方ないのだが、サボテンは育てるのが結構難しい・・。 


どうでもいいが、たった一度だけ訪れたグレンキャニオンにもう一度行ってキャンプして薪をくべて、スコッチを煽りたいというのをこの10年の目標で持ち続けていましたが、来年あたり行けそうな気がしてきました。

興味のある人ぜひ一緒に行きましょう。

できれば陸友企画でやりたいなぁ。 経費狙いではありませんぞ。