2017年3月2日木曜日

非、利便性を愛する人々

いよいよ本日より3月であります。

少しでありますが気温も身体にやさしい温度になってきたような、気が、するだけでしょうか。

改めて云う程の事でもないのでありますが、春の陽気の中で乗るバイクはこれがまたなかなか気持ちいい物でして、何かしら煩雑な事柄から解放されたような気にもなり、非常に良いストレス発散になり申す。

いや改めて云う程の事でもないのでありますが、色々春から趣味を始めてみてはどうだろうか?等と浮ついた発想で思案しようとも、やはり春はバイクが最高ですな。と、改めて感じ入ったものであります。

今年は年始から不運な事ばかり起きていまして、スピード違反で捕まり(不運?)、ゴールド免許まであと1年というところで挫折してしまいました。

なかなか365日バイクで市街地走行をしてゴールドをとるのは難しく、ふっと、一瞬の気の緩みが白いマシンの機嫌を損ねてお仕舞いであります。

突風で屋根のパネルが剥がれ近所に謝りに行き、大枚はたいた高級ダウンは自宅の鋭利な端材に引き裂かれ、通勤中に若者に絡まれ、他にも色々ありますが、不運にたたみ掛けられておりました。

まぁ不運自慢をしても何の意味もないのですが、実はそれほど気にはしていないのは昔から小さな不運が隣人の様な男でありまして、慣れているのであります。 

書いていて思いましたが、不運は良いけれど、不幸は嫌だなぁと思ったり致します。 

それよりはどちらかというと、残念に思っている事は、陸友ファクトリーのお仕事が非常に多忙を極めており、常にパンク状態・・・、これが非常にお客様に申し訳ないと、反省すべき点であります。

これまでもこういったパンク状態というのは日常茶飯事でありましたが、毎回思うのは、同じ問題点を毎回同じようにクリアできずに終始して、根性で乗り切るしかないという点であります。

この状況は昨今、大手宅配便の業界で物理的なエラーが問題になっているようですが、程度こそましなれど、H-Dのファクトリーも似たような本質が見受けられる環境は稀ではなく、解決には非常に大きな壁が存在しています。

ここで云う大きなとは、個人レベルでは到底抜本解決できない規模の問題があり、そこであがいた有能な人材が業界を去って行った経緯を少なからず見て参りました。

まぁ当然ながら事情はそれぞれであろうかと思いますが、去った方も苦しく、残った方も苦しく、問題だけが愛想もなく居座っているのはもどかしい現状であります。

24時間営業のファミレスしかり、ここでその社会問題に言及し過ぎるのはお門違いですが、最近は逆利便性を遡及する企業も増えてきており、それはあくまで採算ベースでの損益打算だとしても、少しづつ、社会が変わろうとしている暗喩ではないかと思ったりします。

筆者が子供の頃、24時間のコンビニが町に1軒できるかできないか、そんな時代でしたが、24時間店が開いている店が出来た!と聞いた時、それはたいそう衝撃的な事だったのを記憶しています。 もう30年くらい前の話ですが。

狂おしいほどに働きまくってきた日本、それにより莫大な消費を成立させたかは明白ではありますが、どれ位日本が疲弊したかも明白なような気もするのは、先進諸外国の市民生活を見ていると、気のせいではないような。

皆様そんな時間とお金との戦いの日々でお疲れの折、陸友では来る3月26日(日)。

”非”利便性のライドイベントを催します。

ついにやってきました。

ショベルヘッド以前のモデルを中心とした究極的趣向ライディング。

The☆Rikuyu-Man Ride (Vintage編)

開催日 2017/3/26(Sun)
集合場所 東名高速道路 海老名SA下り G.S付近
集合時間 7:45-8:00
給油を済ませ出発までお待ちください。


スケジュール
08:30 海老名SA出発
10:00 大井松田 246号線
11:00 道の駅山北 昼食
12:00 丹沢湖周辺(ルート未定)
14:00 海老名SA
16:00 H-D Rikuyu着

注意とお願い
①各部増し締めなど前日までにお済ませ下さい。
②故障の際のレッカー依頼は各自でお願いします。
③暖気が必要な方は早めに出発準備を始めて下さい。
④消耗品、交換部品等は各自でご持参下さい。
⑤陸友での記念撮影に是非ご参加下さい。
⑥調子が悪くなっても笑顔を絶やさないで下さい。
⑦道の駅山北までのルートは事前にご確認下さい。



今時は勝手に車が走って止まって、ペーパードライバーでも安心して乗れる車が走る中、しょっちゅう入退院繰り返して、おまけにライダーとの阿吽の呼吸が求められる不便なバイクに乗る奴なんていな・・・! ここに居ましたRIKUYU-MANのビンテージ使い達。 

古き良き機械に気を張りながら、時代を逆戻りさせるタイムスリップの祭典。

いつか感じた遠いあの頃の懐かしい風を一緒に探しに行きましょう。

ついでか、本題か、陸友ファクトリーの様子でもご覧ください。


S様FXSいよいよ佳境であります…と言ってもかなりブログが遅いのですが。


スターターもクリーンアップ。


リンクのメンテナンス。


スライダーも清掃して潤滑。


スタータークラッチを含めたこのリンクの動きが渋いと、スタート時に思わぬストレスを感じる事になりますので、動きは兎に角軽い方が良い。 手前に引っ張って・・・


スコン!と綺麗に戻ればまずまず。 ここで安心せず、プライマリーカバーの装着時にも動きに注意を払ってあげねばなりません。 


コンペンセーターのメンテナンス。


綺麗に清掃。


いきなり完成。 ですが、見た目は同じでも、掛けた手間で動きが全く別物になるドライブトレイン関連。 クラッチの切れ、スタートレスポンス、音、オイルの漏れ、あらゆる部分に差が出ます。


エキゾーストシステムはローライダーヘッダー。 


このデザインが最も似合うのは当然このモデルなのだろう。


スイングアームのピボットメンテナンス。


大抵ガタガタ。どうしてもだましで乗り切ってしまう場所。


こちら新品。


フロントフォークメンテナンス。 


なかなかのリーク。


いきなり完成・・・FXのフォークはブッシングが入っておらず、スライダーケースが直接インナーチューブのスライドフリクションを受け止めているので、特にメンテナンスは重要ではないかと。

ガタが出てくると加速度的に摩耗は悪化しますので、オイル交換はマメにやられた方が良いのかと感じます。


向かって左オーバーホール前、右が後。 なかなか精悍であります。


I様のFLH82’君。 こちらは走行によるダメージは極端に少ないケースですが、典型的な放置状態からのリカバリー作業になります。 


なかなか厳しい状態。 


年数が長いと、特に、吸湿性の高いブレーキ廻りのダメージが酷くなります。 特にこの車体はおよそ40年間の停止。 それなりの覚悟をしなくてはなりません。


エアフィルターもカロリーメイト並みに砕けます。 吸い込まない様に気を付けます。


ふむふむ。


が、エンジン内部はやはりオイルも入っていてすこぶる好調。 オイル周りも劣化はかなり軽度。

厳しいのはガソリン廻りとブレーキ廻りか・・・。

腕が鳴ります。


O様 FL71’。 こちらは打って変わり、走行によるダメージ蓄積がかなり多いパターン。

1971年から2017年まで46年間現役で走り続けてきたのですからダメージはあって当然な訳で、それを単純に程度に表現するのは難しいですが、手を入れてしっかり健康体に戻ってもらいます。


メインブレーカーのメイン電源ハーネスのピンチ。 ブレーカー手前の為、これはかなり危険でした。


配線類もなかなか厳しい状態。


ダルンダルンのワイヤリング。


コンペンセーターもパックリ。


これは・・・余程心配だったのか、応急対応したような感じ。 インナーのワイヤリングとは別人物の様な気もします。


コンペンセーターのスプラインが抜けない・・・。


相手はフライホイールのドライブシャフトに噛んでいる為、無理も出来ず、かなり大変でしたが・・・


何とかクリア。 ここまで来るのにかなりの強敵と戦う。


右にいても左にいてもなかなか歯ごたえがあります。 チェーンオイラーのホース、ワイヤリングで固定されてはち切れそう。


ホース類を交換しながら、清掃も行い、折れたボルト類を交換してクラックの有無や増し締めを行っていきます。


くたびれている。 施工前。


粗方補修出来た後。

まだまだ続きます。


S様とZ様のFXS君&FXE君は2台先行でほぼほぼ完成。


登録も終わり、いよいよ明日は最終テストであります。 

Z様FXE君はBOSSの担当、うーむ、綺麗だなぁ。

この2台が走る姿は見応えありそう。

それでは旧車好きの皆様、ビンテージ編へのご参加、お待ちしております。