新店舗へ移転したのが2014年。 そこから記念に開始したのが6月という事で、丁度今月で5年突破という事になります。
思えば色々ありました、自身で申しますのは恐縮ではありますが、H-Dディーラーの工場長というのは相応にして骨の折れるお仕事でございまして、結構まいってしまっている日もあったり、バイクいじりがあまりにも忙しすぎて、嫌々書いているような回もあったりと、割とコツコツ積み上げるのが得意な筆者でも苦心した覚えが有ります。
しかしながら。
5年間休まずなんとかのらりくらりと書き綴って参りましたが、何と今回がいよいよ遂に最終回!
嘘です、ごめんなさい・・・。
全然終わる気配が有りませんです。
書き終わる理由も無くだらだらと続くこのブログのバトンを渡せる人材もおらず、陸友は恐ろしい位に筆まめな人がいない・・。
ですので、引き続きこのブログは強制的に継続してまります。
近頃はブログってのはそんなにもう流行っていないみたいで、インスタとかの方が反応が良いみたいですが、時代遅れのポンコツアナログ工場長はいつまでもブログで行きたいと思います。 進角ガバナーグイングインいきます。
ところで今年はなかなかしつこい雨模様でしたが、いよいよ来週あたりから晴れ間が見えてきそうです。 随分涼しい梅雨だった気が致しますが、今年の夏はどれ位暑くなるのか・・。
そんな梅雨明け一発目の8月4日に陸友ファクトリーおなじみのSunset Ride Vol.5を催しますので、是非ジメジメした湿気払に皆様のご参加をお待ちしております。
さて、そんな陸友ファクトリーの様子、覗いてみて下さい。
画像の時系列がいよいよ訳が分からなくなってきましたが、中途半端よりは最後まで続けた方が良いかと思います。 M8の114cu.inキットインストール。
114cu.inのSTDモデルのそれとは違いボアストローク比の違う114となります。
出力発生効率としては一般的にはボア型モーターの方が高効率とされており、実際にその数字は殆どの場合、同排気量の比較となるとボア型の方が大抵高い出力となります。
とは言え、ハーレーダビッドソンというモデルの下では、その効率だけが重視されるわけではなく、所謂混合気の燃焼時に発生する独特の振動フィーリングや1サイクル時間的趣向性を引き出すという、感覚的な要求を満たす非常に難しい宿命を背負っていると考えておりますが、しばしば論争のタネとなるセンシティブな部分でもあります。
M8からはボアの精密計測の際にトルクプレートを不要としております。
根拠足る所では恐らくはシリンダーライナーを包む鋳込みフィンの部分の肉厚かと思います。
シリンダースタッドからライナーまでの距離にかなり余裕が有り、トルク管理の際の歪をライナーに影響させづらい配慮が見られます。
そのせいかやはりシリンダー全体でみた際には少々骨太な印象が有るビジュアルになっておるかと思います。
キットのピストンにはモリブデン系のショットピニングが初めから施工されているようです。
114のピストンとなるとやはりかなりでかいですが、筆者の陸友レーシングのピストンと比較するとまだ少し小振りであります。 V-Rodが如何にボア型のエンジンかが良く分かります。
SEのピストンは大抵マーレー製ですが、陸友レーシングのピストンはCP製となります。
それぞれメーカーの考え方の違いや工夫試行錯誤が細部に渡り違いが見受けられるピストンは持って眺めているだけでもうっとりしてしまいます。
キットのピストンとシリンダーは吊るしで使えそうな気も致しますが、念の為ピストンクリアランスの設定や、ダメージが無いか、組み込み前に点検致します。
同じような見た目でも1/100~1/1000mm単位で製造誤差が出ています。
筆者は6ポイントで測定して2組のベストの組み合わせをセットするように配慮しています。
実際にクリアランス測定してみると、結構狭いクリアランス。 鍛造ピストンには少々辛いかな。
右はホーニングにて再調整してセットアップした数値になります。 一応インストラクションの指定の値になりますが、鍛造でレースユーズになるともっと広い値を取ったりします。
良いモーターになりそうです。
スターハブのメンテナンス。
テーパーローラ―や高性能ボールベアリングがまだない時代のラジアルとスラスト受圧を要求されるホイール軸に組まれた非常に良くできたハブ部。
非常に近代モデルと比較すると部品点数の多い設計となりますが、しっかりメンテナンスするととても調子良く転がってくれます。
RTのレストアは部分的に続行中ですが、入庫してきた当初と比較すると、見違えるように生き生きして輝くバイクになってきました。
今回はスポークの入れ替え、ブレーキ、ホイール廻りの復帰作業、ガソリンタンクの清掃等など。
RTは特に貴重ですから、元気になっていくこの先輩の姿を見届けている事は職人冥利に尽きます。
FLモーターのレストア続き。 まずはこいつが治らないと先に進む気がしない。
写真では分かりづらいですが隣にも小さなクラックが出ています。
炙って炙って丁寧にオイルを追いだしたつもりですが、予想通り奥からブクブクと沁みたオイルが出てきてスラグをゼロに持っていけません。 やっぱり溶接は苦手・・
盛って切削してを繰り返して、新アルミの割合を少しづつ増やしていく。
なおかつベアリングレースの薄いスレッド部分に近づきすぎないように気を付けなければなりません。
美観はイマイチですが、何とか溶け込みは入った感覚が残ったので、ここまでにしておこうかと思います。 貴重なパンのケースとなるとあまり気乗りする物では無いですね。
久しぶりにタンクのペイントのご依頼で施工したポリスカラーのタンク。
個人的にこのXLが結構好きだなぁと思って撮影した模様。
この子はとてもオーナーの意向というかブレない趣が出ていて素敵。
最近はその人の人柄が滲み出ているバイクにとても感銘を受けるようになった。
別にノーマルだってかまわないと思う。
犬と一緒で、大切にされているバイクはやはり可愛いもんである。