2019年1月4日金曜日

オールドパルに乗り換える人々

シューマンズ バー ブックという映画をご存じだろうか。

筆者が最近観た映画で傑作だと思った映画の内の一作である。

趣味でカクテル作りを始めたきっかけが一義的になってしまうが、やはりバーテンダーの神様といったところでしょうか、カクテルに関わる人間であれば知らない人はいないという人物である。

”バーテンダーとカクテル”の世界は非常に”メカニックとバイク”の関係と近似性が高く、知れば知るほどにのめり込んでしまう。

素晴らしいメカニックの条件がとても複雑で、知識やスキル、話術、人間性、マネージメント、人材育成、管理能力、協調性、情熱、様々な要素のバランスである。

その道を極めるあたって、主観的であってはならない事など、やはり”メカニックとバイク屋”、”バーテンダーとバー”といったように言い換えることもできると感じる。

そこにきてこのシューマンズバーブックは、達観の域に達したシューマンがホロホロと歩きながら、未だ掴めないバーマンの究極的要素を探し求めて世界を彷徨うかの如く哲学的な映画である。

明快ではない分、少々とっつきにくい方もいらっしゃるかもしれないが、明快ではなく考え感じて生きる人にはもってこいかもしれない。

結局エンディングでは答えが在ったのか無かったのか筆者にもよく分からなかったが、”顧客とバーテンダーの距離”をしきりに気にしていた彼の葛藤は、何かを決定打にしたい事だけは筆者にも分かった。

だが、ご多分に漏れず筆者もその距離の正解は全く分からない。

難しい事を考えない人生は気楽で楽しいのだが、性分なのか難しい事を知ろうとしてきたこれまでの長い時間と苦労が、兎も角今のお仕事の期待値に反映されているのだと最近は思う。

バイクと犬とカクテルのある人生。 極める道の過程では、時に他の世界のエッセンスが必要だと思うようになった2019年新春。

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

年末に毎年暮れのご挨拶のブログを書いていましたが、今年はついに書けませんでした。

どうしてもバイクが触りたくて触りたくて、ブログを書く時間をバイクいじりに全て使ってしまいました・・。

その甲斐あってか、8年ほど前に思い立ったやりたかった事が、ある程度形になりました。

凄く小さな欲望だったのですが、イーグルモチーフのダイナに乗りたいと昔強烈に思って以降、それ以来頭の片隅からずっと離れなかったので、新たにバイクを買う訳にもいかず、筆者のFLHをFXにカスタムするという強行策にでました。



元々は通勤仕様のホンダさんのクラブマンを細君に譲るという所から、自分の通勤バイクを準備しないといけない事情から思い立ちました。 FLHではファット過ぎて朝の通勤ラッシュを越えられない事情と、ハーレーに乗らなさ過ぎる自身を改心する為でもありました。 ダイナ…ではありませんが。


FLHとFXではフレームが一緒という話はよく知られた話ですが、まぁそれ以外は全部違いますわ。 ある意味フレームが一緒とか言ってる場合じゃないってくらい違いは多いのでありまして、難儀しました。 無論ボルトオンという範囲でありますが。


開始時点は28日午後から、1月3日夕刻まで作業ほぼぶっ通し。 時々気の合う盟友やお客さんと飲み交わして気を紛らわせましたが、それ以外は飲まず食わずの狂気の作業。


その甲斐あってか割と個人的に好きな仕様になりました。 ゴールドのイーグルステッカーはちょっと前までディーラーでもあった純正ステッカー。 ちょっと右寄り。 ここ5年位は自分のバイクだと本当に適当になってしまう・・・。


昔はお客さんのも自分のも同じ位きっちりやっていたのですが、最近は全ての情熱をお客さんのバイクに出し切ってしまうので、ステッカーが右寄りでも気にならない位になってしまいました。

年始から酔っぱらって組んだせいか、ニューペイントのタンクを落っことして装着前に塗装が欠ける始末。
ちょっと病的なのはそのタンクを見てニヤッと笑ってしまった自身に、普段の、年間千台近い納車台数の中で一台もミスは出さないと腹を括っているプレッシャーと、整備責任の重さに苛まれている事を自覚しました。

まぁそれでも流石にブレーキはしっかりやりました、オークションで3,000円で落としたフォアコン。 事故でも起こすと、それはバイクだけの話ではないわけで。



配線は気合の張替え作業。 貧乏人にはハーネスキットが買えませんでした。 全て張り、延長、切り詰める事10時間。


FXとは言いましたが、FXSとFXWGが50%づつという非常に奇妙なスタイルでFフェンダーはメッキという筆者なりのダサい好みになっています。

カクテルでいうところのオールドパルみたいな感じです。

フロントタイヤは拾った廃タイヤをリサイクルした新しいスタイルのリサイクルであります。

因みにきっちり10年後にまたFLHに戻すつもりです。
今年は1万キロ走ります、通勤で使うときっちり1万キロ越えるはずです。

如何でしたでしょうか、今年もハーレーで遊びましょう。