尊敬を超えて勝手に友人になってもらえるならなって欲しいくらい勝手に敬愛している伊坂先生の作品に、「仙台暮らし」という作品があります。
ご自身の日々の生活の中での経験を元に書かれた仙台でのお話が記してあります。
その中でとても印象的だったのが東日本大震災に纏わるお話。
ネタばれしても大変失礼なお話ですので、詳細は控えねばなりませんが、こんなセリフがありました。
”Keep going and keep doing what you're doing....keep dancing"
翻訳すると簡単には”今やっている事をやり続ける、そのダンスを止めずに続ける”
というところでしょうか。
無論震災時の復興に向かうにあたり、非常に厳しかったあの頃の状況に対しての助言となると思いますが、この言葉、苦境の際にとても大事な事だなぁと思い、ふと更にピンとくる事を思い出しました。
思い出したというのは、思い当たる節がありまして。
日々の生活の中で最も大切なのは、一歩一歩前に歩を止めずに少しでもいいから前に進み続けることと、感謝する事。
これがとあるコラムに書かれていたのでありますが、これ実は筆者が10年前にアメリカ生活を書いて記したコラム最後のセリフ。
いやいや、これは・・・・・・・・
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過去の自分恐るべし。
完全に忘れていたわけではないのでありますが、最近ではおじさんになってからというもの。とっても打算的な汚い心も持ち合わせるようになってしまい、そんな純粋に前に進む気持ちをすっかり忘れてしまっていました。
近頃あれこれやと始めて手をつけていますが、若かりし20代の頃のように、軸足を大事にしてみたいものだと過去の自分に学んだのであります。
それにしても、過去の自分に負けそうになることが時々ありますが、特に最も”勢い”があったころの自分に常勝するのは、かなり難しいものであります。
なんだか過去を振り返った話題になりましたが、そういうには訳がありまして、愛弟子のハーレーテクニシャンの磯崎君がいよいよ本場アメリカでの修業を開始するとの事で、最後の挨拶に会いに来てくれまして、この先で上手くいけば少しはご紹介等してあげられるのかなと思ったりしています。
折しも筆者が戻ったのが丁度10年前、10年後に後輩が本場メジャーリーグにチャレンジするとは思ってもみませんでしたが、業界の今後も含めて、彼の軌跡を蔭ながらご紹介する機会も作ってあげたいと思ったりしております。
実際に向こうで万事活躍するにはまだまだハードルが残っておるようで、順風満帆とはいかないはずでありますが。
それでも、頑張っている人間を、大きく広い了見で見たいものであります。
どうでも良い話でありますが、雨は気にしたら負けだなと最近感じます。
陸友ファクトリーの様子。
S様FLH72’の整備。 随分経ってしまった・・・。
リアのドラムブレーキ。 押し引きしているとやたら思い、そう、初恋の人を思い出します。
いや違った、重い。 空気圧やフロントブレーキでなければやはり中は現状チェックの必要があると思います。 初恋の人。
また訳の分からない事を書いてしまいましたが、ビンテージといえども、やはりドラムはドラム。
機械式でもなければ、さも言えば4輪の大型トラックのドラムの模型の如し。
大型ドラムのドラムなどは、大の男が一人で必死で抱えてやっと持てる位の重さでありますが、
バイクのドラムとなるとなかなか可愛い感じであります。 ピストンもシングルでとても可愛い。
ダストブーツをめくってカップからの漏れを確認します。
なかなか外部からの目視は出来ないため、やはり定期点検時の確認が肝心になってきます。
ドラムの内面も粗めのペーパーであたりを付けてやります。
ムラになりすぎないように全体的に浅くハッチを付けてやると組んだ後のなじみがすんなり出ます。
モーターサイクルならではのこの構成ですが、ドラムにスプロケットがマウントされている構造。
このマウントにはリベット固定が採用されており、当然アクセルトルクとバックトルクで強大なモーメントに振り回される結果となり、2ピース故の宿命か、使用過程の結果としてここのガタは結果的にスプロケットとしては致命的な修理案件に繋がることがあると思います。
かなりテカテカになったブレーキシュー。
こちらも同じくハッチを付けてやります。
バックプレートのグリスアップ、ドラムの引きずりの殆どはここの摺動性能が悪化している事が多いと思います。
シュー側もグリスアップ。
シューの取り付けには少々慣れが必要。
夜も遅いので説明する気力がありません。
まぁ兎に角上手くやるのであります。
一つ言えることはドラムブレーキは絶対的に大きい物の方が大変。
引きずりも無くなり、効きもかなり良くなりました、それにしても油圧のドラムはブレンボより効くんじゃないだろうか。大袈裟でしょうか。
O様WLAの続き。 ちょいと久しぶりに切削のトレーニング。
とあるキー。
車両が入ってきたのは良いが、ツールボックスの鍵がない。
頑張って開けようとした痕跡もある。 失敗してかなり横にぶっちぎった痕跡もある。
SSTを修理するついでに切り出したのだが、どうだろうか。
おっ、回った・・・・。 何か入っているかな?お金とか入ってるかな?
どーん。空洞です。
切削思い出したが、この8年位大活躍してきた筆者の愛機、玩具旋盤がついに壊れた。
こいつが当時13万位だっただろうか。
恐らくこの子が稼いだお金、100万は下らないと思う。
色々診断したが、恐らく基盤上のどこかの故障なのだが、結局基盤上のダイオードにしろコンデンサにしろ、テスターを当てたいが、基盤全体の絶縁コーティングされていてテスト出来ない。
今までありがとう。
と、言いたい所だが、アメリカで基盤単品を発見したので虎視眈眈と修理を目論んでいる。
陸王さんはフットボードの復刻ラバーを入手、ビンテージ、アンティークの世界では言わずと知れた方が非常に精巧に複製して一般にも卸して下さっている。
これほどユーザーとしてありがたい話は無いし、その2輪自動車にかける情熱にとても共感を覚える。
陸王さん、少しづつ手を入れているが・・・
その一方で自分のフランケンFLHのO/Hもまた再開してしまった。
何か悪いわけではなかったのだが、技術レベル向上の再確認とトレーニングがメイン。
淡々と深夜までトレーニング。 1日12時間はトレーニング。
前回のO/Hから5000キロ程度走行、トレーニングの他に、使用過程の内部環境の研究も兼ねている。
綺麗にポリッシュしたがもう見る影は無い、やはり鏡面仕上げを維持することは、至難である。
しかし・・・歳のせいか夜中になると目がチカチカしてやり過ぎて朝6時くらいに起きると吐きそうなる。
どんどん体力が無くなっていく、50歳になったらもう殆ど全盛期の様に触れないんだろうな。
覚悟はしておかないとな。
その時に代わりに何ができるようになっているかも準備しておかないといけないな。