単なる直線を全開で走るのはとてつもなく簡単であります。
とてつもなく簡単な作業を皆で競争したらどうなるかという答えは、おおよそ大枠に全員が入り、その中でミクロ化された0.1、もっと言えば0.01秒で差を付けるという勝負になります。
久々の非日常、存分に味わって参りましたJD-STER Rd2.。
筆者的には今年の目標はとりあえず一段落。
かなり無茶なパワーアップを図り、耐久性にかなりの不安がありましたが、いざ9000rpmまできっちり回してみれば、マシンは非常に良い仕上がりで、なんら不安な挙動も有りませんでした。
ここはここで、技術屋冥利に尽きる話であります。
考えてみれば、何百万も使って速く走りたいのだと、0.1秒を速くゴールしたい為に、目の前の十万円も一瞬も迷わず投資する心境は、ある意味ちょっと変態の領域であります。
まぁその甲斐あってか、マシンは随分マージンを残している感があり、とっくにヘタレな筆者のライディングテクニックの範疇を越えており、あれを綺麗に100%パフォーマンスしきるには、腕を磨いて来年にかける新たな目標となったのは偶然という名の必然かも知れません。
筆者はフェイスブックをやっておりませんでして、直接お礼を申し上げる機会もございませんでしたが、弊社フェイスブックでは大きく応援の記事を取り上げて頂き、応援メッセージを頂いておりました事、この場をお借りして、御礼申し上げます。
ありがとうございました!!
で、ですが。
フェイスブック上の報告、3位。
ですが。
あくまで予選からブロック分けされた中でのブロック3位。
でありまして。
非常に申し上げにくいのですが・・・・。
恐らくオープンクラス全体では・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
オープンクラス約40数台中、27位?とか?(笑)
詰まる所、予選でマシン性能やテクニックが近いグループが決まり、その中でブロックが決まるのであります。
正直に言いますと、予選でZX14Rと当たりまして。
「こんのやろう、ケツに噛み付いてやんぞお~」と息巻いていましたが。
特売の鼻がヒリヒリするティッシュペーパーの様にちぎられたのは言うまでもありません。
しかしこれがマシン性能でいくとなかなか着いていけそうな感触があるから余計悔しい物でありました。
全ては筆者のヘボライディングが原因であります。
とは言え、あの怪物揃いのオープンクラスの中で、ハーレーが一台だけ混ざってチャレンジしているという光景は、妙に異彩を放っていたらしく、終始、司会のアナウンスでも唯一ハーレーで参戦していると紹介して頂いたりしました。
特段狙っていた事ではないのですが、何と言うか異種格闘技戦的な要素って、なんだかワクワクするなぁと思うので、るつぼの様な環境に身を投じて見たかったというのが目的でありました。
まぁ色々ありましたが、最高に楽しかった2日間でありました。
それでは当日のダイジェストでもご覧ください。
7月16日午後11時、最終準備を終えて、板橋を出発。
翌朝AM3時、福島県吾妻PAに到着して、AM7時まで仮眠。
この車中、寝心地悪く、殆ど寝れず・・・。
17日練習走行日 AM7時起床してフロントガラスに愕然。
めっちゃ降ってるし!(笑)
路面もかなりのウェット、というか水溜り。 いやぁ、こりゃ交通宿泊費無駄になるかもなぁと思ったが、福島まで来てしまっている以上、会場に行かねば話にならん。
いやぁ、散歩には涼しくて最高のお天気ですなぁ~。
霧で前が何も見えませんぜ、どこがコースか分からない。 おっエアプレーンさん。
待つ事5時間。
雨が止み、コース上をスタッフの方々が4輪を周回させて走行風ですこーしづつ乾かしてくれたおかげで何とか走れる事になった。 慌てて準備。 緊張してきた。
走れると思ってなかったので慌ててゼッケン装着。
4年以上ぶりに乗る愛車、結局公道ではテストできなかったので何故か初乗りがサーキットというシチュエーション。 こんな乗り味だったっけ・・・。という違和感。
練習走行前のウォームアップ走行。 ラジオ体操みたいな物であります。
一本目走行後。 ブレーキフルード出てきた・・・。 という風に見えて、脳内パニック。
こりゃ想像以上にまずいですねん、バーンアウト板から滑って落ちそうになるし、本式コースと違って全然タイヤがグリップしないし、ウェットで若干湿っててスタートrpmの設定も全然分からんし、エアシフターが3速に全く入らない。 スリップしてコースアウトしそうになって脳内大パニック!まるでタイタニック! 髪型ボブカットみたいになってるし!
1本目 7.8秒辺り? このタイムVer.3と変わらんような気がする。
2本目7.6秒くらいだったと思う。
3本目7.4
4本目 7.2
5本目 7.4・・・・
この辺りで少しづつ身体がバイクに慣れてきたが、段々エアシフターの動きが怪しくなってきた。
最低8キロ圧位確保しないと点火カットタイムを延ばさない限り、6キロ圧でもまともにギアは入らないようだ、キルモジュールとシフターセンサーを変更した影響だと思われるが・・・。
練習でエアタンクの圧を使い切ってしまったのであります・・・。 悲惨な事に全くギアが入らず
6本目7.6に逆戻り。
どっと疲れた練習走行。
この日の夕方、課題山積みのままガソリンスタンドへ直行。
「エアタンクにエアチャージしてもらえますか!?」
「あ~、いいっすよ~。」
ラッキー!と思ったも束の間、入りました~と圧力を見ると・・・
これ6キロですやん!入れる前と変わってないし!!
「いや~うちのコンプレッサー設定が6キロなんですよ~」と爽やかに答える店員に、うんまぁ、普段整備工場で10キロとか危ないよねと答えそうになるが、いや今は必要なのだ!
なんだかエアシフターの不安を残したまま迎えた18日本番。 予報なんてクソ喰らえの如く晴れ上がりました。 この時点で一抹の不安、昨日の濡れた状態と差がありすぎて、スタートのrpm全くデータが使えないような気がする・・・。
エアシフターにエアを入れられないまま、ここで必殺自転車空気入れ君登場。
こいつで大人の本気の空気入れをやります、大人が本気になったらどれくらい空気入れられるか、子供がガクブルであります。
そうこうしている間に萩原オジサン、途中で野宿して夜通し走り、途中で蚊で死にそうになりながら到着致しました。
そしてこれを持って来てくれたのであります。
こいつで踏んで踏んで踏みまくりであります。 そしてメーター完全振り切り10キロ圧達成。
しかし、この後大変な事態が待ち受けているのであります。
草レースとは言え、それなりに準備はあります。
萩原オジサンと打ち合わせ。
当日もウォームアップ走行、気合入りすぎて一人だけツナギで炎天下ウォームアップ、死んでしまう。
かなり気合を入れてバーンアウト。 が、また前輪が動いて滑り落ちる。
焦ってシールド締め忘れる。
スタートする。
とりあえず前日と同じ2800rpm位で繋ぐ。
ガクン!!という衝撃と共に回転数がアイドリングまで戻ってしまう。
あっちゃ~、こりゃ昨日のデータ何も使えんぜ・・・。
タイヤの食い付きが全く違う、違いすぎる。
なんだかなぁ~もうと思って色々試行錯誤するが、4000rpmで繋いでスピンで吹っ飛びそうになる、ギアは入らない、と散々で2本目までのタイム前日より悪化。
こりゃ厳しいなぁと思って予選敗退・・と思ってツナギをぬいでくつろいでいたら、ブロック分けされるだけで、1回戦から又始まるとの情報。
慌ててツナギを着て再度マシンセットアップ!
バーンアウト有りで、スタート3500rpmで行こう・・。その後開度はいじらずに最後だし全開くれてやる。
そう決めて走った3本目。 VS BLACK BIRD
バーンアウトは上手くいった、今までやっていたグランドよりもグリップしやすいのでFブレーキが微妙に甘かったみたいだ。 シングル化したせいでいつもの甘いブレーキ癖がダメだったようだ。
3500rpmでキッチリ固定して、ツリー横に並ぶ。
ここで強烈にタイヤが食って恐ろしい加速。
だがやはり3速に入らない!パシュパシュ3回目の操作でやっと入る、その間にレブ到達で一瞬減速、その間にブラックバード50センチ位グンと寄ってくる感覚がある。
この瞬間は結構恐い、リードしていてもさされると思う。
7.1秒
おお~、タイヤさえ食えば伸びてくるな。
とのぞんだ4本目。
さぁ無敵のエアポンプでエアシフターを充填するのだ! シュッシュッ!!!
プシュー!!!
????
足踏みポンプホース腐って穴空いてますやん!!
いやいや我々にはハンドタイプもある。ハンドで行こう!シュッシュッ!!
バキッ!!!!
はぁ????
なんじゃこりゃ!!サージタンク取れてしもた!!
これが・・・・
こう!!
これが・・・・・・・・
こう!!!!
いやいや!!まだ諦めんなよ!と思い立った萩原オジサン。
持ってきたエアサス用ハンドポンプでシュポシュポ高速手運動!どこでそんなに手運動を鍛えたのだ!! いやそれはもはやどうでも良い!
「入りました!!」
「マジか!!」
はぁ???
これそもそも4キロまでしか入らんポンプですやん。
10、10キロ位入れたいんですわ、せめて8キロ・・・。
全員真っ青。
そこで思いついたのがハンドの空気入れを足踏みポンプに移植する2個一作戦。
ここで起死回生の10キロ達成。
そして臨んだ準決勝。
スタートで3500rpmから3300rpmに下げて全開スタート。
此処が運命の分かれ道。
ガクンと回転落ちでノロノロスタート。
結果0.01秒差負け。
とまぁ色々有って3位の訳ですが、最後なぜスタートrpmを下げる判断をしたのか、今もってスピンを恐れて勝ちに行った結果と思われる反省点でありました。
逆に3700rpmなら勝利の女神はほほ笑んだかもしれません。
とまぁ色々ありましたが、オープンクラスにてNAハーレーで結果を残すには先ず持って全てにおいてノンミスが前提。
良い課題を持ち帰る事になりました。
なんだかとても素敵な夏の思い出になったのでありました。
また来年。
頑張ります。
そんな陸友レーシングマシン、来週からショールームにて帰還そのままの状態にて展示中であります、是非またがってあげて下さい。
そんな陸友レーシングマシン、来週からショールームにて帰還そのままの状態にて展示中であります、是非またがってあげて下さい。